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タイの税制について|法人所得税

法人所得税
法人税は、会社が得た利益に対する税金になります。
税率
ただし、中小企業(資本金500万バーツ以下、かつ収益3,000万バーツ以下)に対しては300万バーツ以下の利益に対して税率が0~20%の累進課税となる軽減税率の措置があります。また、BOIから承認を得た奨励事業については軽減税率が適用されることがあります。
<例示:中小企業の法人所得税>
資本金200万バーツ、収益2,500万バーツの会社(中小企業)が、今年度400万バーツの利益をあげた場合の法人税を計算してみます。下記の表からこの会社の法人所得税は605,000バーツとなります。
利益額(バーツ) 税率 例示の利益額(バーツ) 税額(バーツ)
300,000バーツ以下 0% 300,000バーツ
300,001バーツ~3,000,000バーツ 15% 2,700,000バーツ 405,000バーツ
3,000,001バーツ以上 20% 1,000,000バーツ 200,000バーツ
合計 4,000,000バーツ 605,000バーツ
申告・納付期限
法人税所得税の申告・納付は、中間と年度末の年2回です。中間申告は、中間期末から2ヵ月以内、年度末申告は、年度末から5ヵ月以内の申告・納付が必要となります。


法人所得税の計算方法
タイの法人所得税の計算方法は、日本と同じと考えて問題ありません。
(会計上の収益)-(会計上の費用)±(税務上の調整)=(税務上の利益)
(税務上の利益)×法人税率(20%)=(法人税額)
また、“税務上の調整”は、日本と同じような調整項目がありますが、内容が少し異なるので注意が必要です。


法人所得税のFAQ
質問:税務上の調整 「受取配当金」について教えてください
回答
タイ国内法人から受取った配当金について、受取配当金の2分の1のみが益金算入となります。
ただし、以下の要件を満たすタイ国内法人から受取った配当金は、全額が益金不算入となります。
➀配当を支払う法人の議決権株式の25%以上を有すること
➁配当を受ける法人が配当を支払う法人の株式を保有していないこと(相互持合保有がないこと)
なお、上記の2分の1の益金算入、および益金不算入は、配当を受け取る法人が配当を支払う法人の株式を配当日の以前3ヶ月、かつ以後3ヶ月間において継続して保有していることが条件となります。


質問:税務上の調整 「交際費」について教えてください
回答
交際費には損金算入の限度額があります。
具体的には下記のいずれか少ない金額が限度額となるため、限度額を超える交際費は損金不算入となります。
➀売上高または資本金のいずれか大きい金額の0.3%
➁1,000万バーツ


質問:税務上の調整 「減価償却費」について教えてください
回答
減価償却費について、税務上は以下の償却率(耐用年数)の最大値が規定されています(日本のように資産ごとの償却率が細かく分類されておらずシンプルです)。

資産の種類 償却率の最大値 参考:耐用年数
建物 5% 20年
コンピューター、ソフトウェア 33% 3年
営業権、商標権などの無形資産(有期期限) 1÷契約期間 契約期間
営業権、商標権などの無形資産(無期限) 10% 10年
その他の資産 20% 5年

なお、償却方法は会計上の償却方法(定額法、定率法)が認められており、一般的には定額法を適用している会社が多いと考えます。 また、期中で取得した資産の減価償却費は、日割計算することが規定されおり、備忘価格(通常は1バーツ)を残すことも規定されています。

質問:税務上の調整 「社用車」の減価償却費にかかる規定について教えてください
回答
「社用車」の減価償却費について、乗用車または10名以下のバスについては100万バーツまでの減価償却しか認められていません。
また、「社用車」のリース料について、月額36,000バーツまでのリース料しか認められていません。


質問:タイでの「少額資産」について教えてください
回答
タイの歳入法では「少額資産」の規定はありません(日本のような「少額資産」の税務上の金額基準などはありません)。よって、原則1バーツ以上、かつ1年以上使用するものは固定資産として計上し、減価償却費(質問3参照)が損金となります。
ただし、1バーツ以上をすべて固定資産として減価償却することは会計・税務上は非常に煩雑であるため、実務上は一定の金額基準を社内で定めて「少額資産」として一括で損金処理していることが一般的です。このような方法は税務当局から指摘されるリスクはあるものの、一定の金額基準が少額(例えば3,000バーツ、5,000バーツなど)であれば、税務当局もあまり指摘してこない傾向にあります。


質問:タイでの「繰越欠損金」について教えてください
回答
タイの歳入法では「繰越欠損金」の繰越期間は5年と規定されています。
また、BOI奨励期間中に発生した繰越欠損金についてはBOI奨励期間終了後、5年間の繰越期間となります。


質問:損金不算入の規定について教えてください
回答
タイの歳入法65条3では「損金不算入」となるものが列挙されています。
以下は主な損金不算入の例示となります。
・私的な支出、および私的な贈答
・交際費のうち省令で定められた限度額を超える金額(詳細は、質問「交際費」参照)
・資本的支出(ただし、減価償却にて損金算入可)
・加算金、延滞税、罰金
・仕入VAT(ただし82/5条(4)に基づき、税額控除に使用できないものを除く)
・合理的な金額を超える株主への給与等
・会計期間に帰属しない費用
・過去に発生した欠損金(ただし、過去5年間の繰越期間あり)
・事業に関連しない支出
・物品・サービスの価格で正常な価格を超える部分(移転価格の根拠条文)
・配当金支払
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