タイ・バンコクの製造業進出支援・会社登記・会計処理・BOI申請・労働許可証、ワークパミット取得等

BOIの投資奨励政策および基準

国内外の経済・投資に関する環境が大きく変化し、現状況および将来への変 化、国の経済社会開発計画、農業・工業・サービス業開発政策に応じ、国の長期的な競争力維持および持続的発展のため、投資委員会は投資奨励政策および基準を見直すべきとする。 仏暦2520年(1977年)投資奨励法第16条、第18条、第19条の権限に基づき、投資奨励政策および基準を以下の通り定める。
第1項 以下の布告を撤廃する。
1.1 仏暦2543年(2000年)8月1日付投資委員会布告第1/2543号、件名:投資奨励政策および基準
1.2 仏暦2549年(2006年)3月20日付投資委員会布告第3/2549号、件名:技能・技術・イノベーション(Skill,Technology and Innovation: STI)開発投資の ための追加恩典
1.3 仏暦2549年(2006年)3月20日付投資委員会布告第5/2549号、件名:電気・電子産業のための長期継続投資奨励政策
1.4 仏暦2549年(2006年)6月27日付投資委員会布告第8/2549号、件名:電気・電子産業における大型かつ特別に重要なプロジェクトのための長期継続投資奨励政策
1.5 仏暦2550年(2007年)4月9日付投資委員会布告第1/2550号、件名:産学間研究開発奨励方針
1.6 仏暦2552年(2009年)5月29日付投資委員会布告第6/2552号、件名:技能・技術・イノベーション(Skill,Technology and Innovation: STI)開発投資の ための恩典付与の改定
1.7  仏暦2552年(2009年)10月15日付投資委員会布告第10/2552号、件名:投資奨励事業の業種・規模・条件および恩典
1.8 仏暦2552年(2009年)10月15日付投資委員会布告第11/2552号、件名:技能・技術・イノベーション(Skill,Technology and Innovation: STI)開発投 資のための追加恩典
第2項 本布告に反した投資委員会布告または投資委員会事務局布告について本布告に置き換えることとする。
第3項 投資促進のビジョン
委員会は投資促進のビジョンを以下の通りとする。 サフィシエンシー・エコノミー(Sufficiency Economy)に基づき、持続的成長をもたらし、「中所得国の罠」(Middle Income Trap)を乗り越え、競争力を高めるために、国内および海外での高度な価値のある投資を促進すること。
第4項 投資奨励政策
委員会は決定したビジョンによる目標を達成するため、投資奨励政策を以下 の通りとする。
4.1 国の競争力を向上させるための投資を奨励する。研究開発や、イノべ一 ションの創出、農業・工業・サービス業の付加価値創出を促進し、また中小企業の促進、公正な競争、社会的および経済的不平等の減少を促進する。
4.2 持続的かつバランスのとれた成長のため、環境に優しく、省エネルギ一もしくは再生可能エネルギーを使う事業を促進する。
4.3 バリューチェーンの強化と地域の能力に一致したクラスター(Cluster)の創出を促進する。
4.4 南部国境県内で安定的な地方経済を作るため、域内での投資を促進する。
4.5 隣国と経済的に繫がり、アセアン経済共同体(AEC)をサポートするために、特別経済開発区、特に国境地帯の工業団地内外での投資を奨励する。
4.6  世界舞台でタイの役割を増加し、競争力を向上させるため、タイから外国への投資を促進する。
第5項 投資奨励対象業種
5.1 本布告に添付された業種表を投資奨励対象業種とする。
5.2 投資奨励事業に対する条件と恩典はそれぞれの業種に示されたものとする。
5.3 以下の業種を特別重要かつ国益をもたらす業種とし、上限なしで法人所得税を免除する。
業種1.3 商用材木の植林(ユ一カリを除く)
業種3.9 クリエイティブ製品のデザイン・開発サービス
業種 4.11.1 航空機の機体、機体部品、基幹部品、例えば、エンジ ン、飛行機部品、プロペラ、電子部品などの製造
業種5.6 電子設計
業種5.7 ソフトウェア
業種7.1.1.1 ゴミあるいはゴミからの燃料(Refuse Derived Fuel)による電力または電力およびスチームの製造
業種7.8 Energy Service Company (ESCO)
業種7.9.2 技術工業団地または技術工業区
業種7.10 クラウドサービス(Cloud Service)
業種7.11 研究開発
業種7.12 バイオテクノロジ一(Biotechnology)
業種7.13 エンジニアリングデザインサービス
業種7.14 理化学実験サ一ビス(Scientific Laboratory)
業種7.15 計測器校正サービス(Calibration)
業種7.19 職業訓練学校
第6項 プロジェクト認可基準
委員会はプロジェクト認可基準を以下の通りとする。
6.1 農業、工業、サービス業の競争力開発
6.1.1 収入の20%以上の付加価値を有すること。ただし、農業および農産品事業、電子および部品事業、コイル・センター事業は収入の 10%以上の付加価値を有すること。
6.1.2 近代的な製造工程を有すること。
6.1.3 新品の機械を使用すること。
海外から輸入する中古機械を使用する場合は以下の基準とする。
(1) 製造年より輸入年まで5年以内の中古機械は、プロジェクト での使用と、法人所得税免除のための投資金額に含めること が認められる。ただし、輸入関税免除の恩典は付与されな い。また、機械の性能、環境への影響、エネルギー消費量お よび機械の価格が妥当であることについて、信頼に足る機関より、能力証明書を取得しなければならない。
(2) 製造年より輸入年まで5年以上10年以内の中古機械で、プロ ジェクトでの使用を認められるのは、プレス機械のみで、法人 所得税免除のための投資金額に含めることが認められるが、輸 入関税免除の恩典は付与されない。機械の性能、環境への影響、 エネルギー消費量および機械の価格が妥当であることについ て、信頼に足る機関より能力証明書を取得しなければならない。
(3)  海運事業、空運事業そして金型は、委員会が適切であると判 断した場合、10年以上の中古機械の使用を認められる。輸 入関税免除の恩典が付与され、法人所得税免除のための投資 金額に含めることが認められる。 詳しくは事務局の定める基準に従うものとする。
6.1.4 投資金額(土地代および運転資金を除く)1,000万バーツ以上のプロジェクトは、操業開始期限日より2年以内にISO9000または ISO14000その他相当する国際規格を取得すること。取得ができない 場合、法人所得税免除恩典を1年間取り消される。
6.1.5 コンセッション事業および民営化事業について、投資委員会は仏暦 2541年(1998年)5月25日および仏暦2547年(2004年)11月 30日の閣議決定に従った検討方針に基づくものとし、以下の通りとする。
(1) 仏暦2542年(1999年)国営企業資本法に基づく国営企業の 投資プロジェクトは奨励対象外とする。
(2) 民間が特権を受け実施し、最終的に国に所有権を引き渡す公 益事業(Build-Transfer-Operate あるいは、 Build-Operate-Transfer)に関し、この投資奨励の恩典付与 を希望する場合、これを企画する担当政府当局が入札招請する前の時点で投資委員会にプロジェクトを提出しなければならない。また、入札の段階で民間にどのような恩典が付与されるのかについて明確に公告をしなくてはならない。原則として、投資委員会は国に対して見返りを払う特権事業を奨励しない。ただし、政府がそのプロジェクトに投資した金額の 妥当な見返りを有する場合を除く。
(3) 政府プロジェクトを民間に運営・所有をさせる (Build-Own-Operate)については、政府に賃借料の形式で見返りを払う民間に貸与または運営させる場合、投資委員会 は通常の基準に基づき奨励を検討する。
(4) 仏暦2542年(1999年)国営企業資本法に基づき民営化した 企業は、事業を拡大したい場合、その拡大投資事業部分のみを奨励申請することができ、通常の基準に基づき恩典が付与 される。
6.2 環境への影響予防
6.2.1 環境への影響予防・軽減に十分かつ効率的な方針や措置を有すること。環境への影響が発生する可能性のあるプロジェクトに関し、委員会は立地および汚染処理について特別審議を行う。
6.2.2 環境影響評価報告書を提出しなければならない対象の業種や規模のプロジェクトは、関連する環境法規制や閣議決定を遵守しなければ ならない。
6.2.3 ラヨン県に立地するプロジェクトは仏暦2554年(2011年)5月2日付投資委員会事務局布告第Por.1/2554号件名:ラヨン県地域における 投資奨励政策に従うこと。
6.3 最低投資金額およびプロジェクトの可能性
6.3.1 プロジェクト毎の最低投資金額(土地代および運転資金を除く)は100万バーツ以上とする。ただし、本布告に添付した投資奨励対象業種表に定められた場合を除く。ナレッジベースのサービス業に ついては、投資委員会布告の巻末にある業種表内で指定する年間人件費から最低投資金額を検討する。
6.3.2  新規プロジェクトの負債と登録資本金の比率は 3:1 以内であること。ただし、本布告に付された奨励事業リストに定められた場合は 除く。拡大プロジェクトについてはケースバイケースで検討する。
6.3.3 投資金額が7億5千万バーツ(土地代および運転資金を除く)を超えたプロジェクトは委員会が定めた通りプロジェクト可能性調査を 提出しなければならない。
第7項 外国人の持ち株基準
委員会は投資奨励申請プロジェクトに対しての外国人の持ち株基準を以下の 通り定める。
7.1 仏暦2542年(1999年)外国人事業法のリスト1に示される業種におけるプロジェクトは、タイ国籍者が登録資本金の51%以上の株式を保有しなくてはならない。
7.2 仏暦2542年(1999年)外国人事業法のリスト2およびリスト3に示される業種におけるプロジェクトは、外国人が過半数または全数の株式を 保有することを認める。ただし、他の法律で別途定められた場合を除く。
7.3 妥当な理由があれば、委員会は特定の奨励プロジェクトに限り、外国籍者の出資比率を定めることができる。
第8項 投資奨励地域
委員会は投資奨励地域を以下の通りとする。
8.1 一人当たりの国民所得の低い20県、即ち、カーラシン、チャイヤプー ム、ナコンパノム、ナーン、ブンカーン、ブリーラム、プレー、マハーサーラカーム、ムックダーハーン、メーホンソーン、ヤソートーン、ローイエット、シーサケート、サコンナコーン、サケーオ、スコータイ、スリン、ノーンブワラムプー、ウボンラーチャターニー、アムナートチャルーン
8.2 特別経済開発区
8.3 委員会により奨励または同意された科学技術パーク (Science and Technology Park)
第9項 恩典付与の基準
委員会は恩典の付与の形式を以下の2種類とする。 9.1 業種に基づく恩典(Activity-based Incentives) 委員会は業種の重要度に応じて、恩典を以下の2グループに定める。 9.1.1 グループAは法人所得税、機械、原材料に関する恩典および非税的恩 典の対象とし、以下の4グループに分けられる。 グループA1は以下の恩典を付与する。 - 上限無しで8年間法人所得税を免除する - 機械の輸入関税を免除する - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入 関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じ委員会は期間 を延長させる。 - 非税的恩典 グループA2は以下の恩典を付与する。 - 投資金額(土地代および運転資金を除く)の100%まで8年間法人所得税を免除する。 - 機械の輸入関税を免除する。 - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入 関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じて委員会は期 間を延長させる。 - 非税的恩典 グループA3は以下の恩典を付与する。 - 投資金額(土地代および運転資金を除く)の100%まで5年間法 人所得税を免除する。ただし、投資奨励対象業種表に上限なし で法人所得税を免除すると示された場合を除く。 - 機械の輸入関税を免除する。 - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入 関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じて委員会は期 間を延長させる。 - 非税的恩典 グループA4は以下の恩典を付与する。 - 投資金額(土地代および運転資金を除く)の100%まで3年間法 人所得税を免除する。 - 機械の輸入関税を免除する。 - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じて委員会は期間を延長させる。 - 非税的恩典 9.1.2 グループBは機械、原材料に関する恩典および非税的恩典の対象と し、以下の2グループに分けられる。 グループB1は以下の恩典を付与する。 - 機械の輸入関税を免除する。 - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じて委員会は期間を延長させる。 - 非税的恩典 グループB2は以下の恩典を付与する。 - 輸出向けの生産品に限り、必要な原材料および必要資材の輸入関税を1年間免除する。ただし、必要適切に応じて委員会は期間を延長させる。 - 非税的恩典 9.2 メリットによる追加恩典(Merit-based Incentives) 国または産業に有益な活動に更なる投資を得る刺激となるよう、委員会は以 下のプロジェクトにメリットによる追加恩典を付与する。 9.2.1 競争力向上のための追加恩典 以下の投資または費用がある場合 (1) 技術・イノベーションの研究開発:自社研究開発、国内における外注または海外機関との共同研究開発 (2) 委員会が同意する、技術・人材開発基金、教育機関、専門訓 練センター、国内にある研究開発機関および科学技術分野の 政府機関への寄付 (3) 国内で開発された技術の知的所有権の購入とライセンス料 (4) 高度な技術訓練 (5) タイ国籍者が登録新本金の51%以上の株式を保有している国内の原材料・部品メーカー(Local Supplier)の開発:高度な 技術訓練および技術支援 (6) 製品およびパッケージのデザイン:自社、または委員会が同意する国内における他社への業務委託 詳細は事務局が定める基準の通りとする。 追加で与えられる恩典は以下の通り。 (1) 上記の投資または費用の合計が、最初の3年間における収入の1%以上、または2億バーツ以上で、どちらか低い方があった場合、法人所得税免除期間を1年延長させる。ただし、合 計8年間までとする。 (2) 上記の投資または費用の合計が、最初の3年間における収入の2%以上、または4億バーツ以上で、どちらか低い方があった場合、法人所得税免除期間を2年延長させる。ただし、合 計8年間までとする。 (3) 上記の投資または費用の合計が、最初の3年間における収入の3%以上、または6億バーツ以上で、どちらか低い方があった場合、法人所得税免除期間を3年延長させる。ただし、合 計8年間までとする。 なお、第9.2.1(1)項に基づく投資・費用で追加免除される法人所 得税は投資金額の200%とし、第9.2.1(2-6)項に基づく投資・費 用で追加免除される法人所得税は投資金額の100%とする。 9.2.2 地方分散への追加恩典 第8.1項に基づく投資奨励地域に立地した場合は以下の追加 恩典を付与する。 (1) 法人所得税免除期間を3年間追加するが、合計8年間までと し、8年間法人所得税を免除されるグループA1またはA2は 法人所得税免除期間満了後さらに5年間法人所得税を50%減 税することとする。 (2) 輸送費、電気代、水道代の2倍を、奨励事業の収入発生日よ り10年間控除を許可する。 (3) 通常の減価償却以外に、被奨励者の純利益から、インフラの 設置・建設費の25%を控除することを許可するが、奨励事業 の収入発生日より10年間の内、どの年の純利益から控除することも可能で、または数年に渡って控除してもよい。 9.2.3 工業用地開発への追加恩典 工業団地または奨励されている工業区に立地する場合、法人 所得税免除期間を1年間追加するが、合計8年間までとする。 なお、工業団地または奨励されている工業区に立地しなけれ ばならないという条件のある業種を除く。 9.2.4 メリットによる追加恩典を申請できる者 (1) グループAで追加恩典を申請する者は、奨励申請時または奨励 認可後に追加恩典を申請してもよい。 奨励認可後に申請する場合、収入が発生したか否かを問わず追加恩典を申請できるが、追加恩典申請日の時点で、第31条 に基づく法人所得税免除恩典が免税期間とともに免税枠が残っていなければならない。 (2) グループBは、メリットによる追加恩典の内、第9.2.1項における競争力向上のための追加恩典と、第9.2.2項における地方分散 への追加恩典のみ申請することができるが、奨励申請と同時に 追加恩典を申請しなければならない。ただし、投資奨励対象業種表において、この基準に基づく恩典を付与しないと定められ た業種を除く。
第10項 生産効率の改善のための恩典
生産効率および競争力を向上させるために、以下の場合において、委員会は 奨励事業が、奨励期間中いつでも機械の輸入関税を免除して輸入することを許可する。
10.1 研究開発に使用される機械
10.2 汚染防止または除去をする機械
10.3 操業開始許可取得後であるか否かを問わず、電子製品およびその部品の製造プロジェクトに使用される機械で、既存の機械の刷新や代替するため、または既存の事業の生産能力向上のための機械
第11項 法人所得税恩典の行使
税的恩典の行使が効率的に正しく行使され、奨励条件に合っていることが確 認でき、奨励の経済性を明確に評価できるものとなるよう、被奨励者は事務局の定 める基準および方法にてプロジェクト結果を報告し、該当年の法人所得税免除恩典 行使の許可前に事務局に評価される。
第12項 暫定条項
仏暦2549年(2006年)3月20日付投資委員会布告第5/2549号、件名:電子・電 気産業のための長期継続投資奨励政策、または仏暦2549年(2006年)6月27日付投資委員会布告第8/2549号、件名:電子・電気産業における大型かつ特別に重要なプロジェ クトのための長期継続投資奨励政策に基づき投資奨励を申請した被奨励者は、本布告が 発行後も、ケースバイケースによりそれらの布告に基づく恩典を継続して付与されるこ ととする。
第13項 本布告は仏暦2558年(2015年)1月1日以降に提出される申請書に適用される。