タイ・バンコクの製造業進出支援・会社登記・会計処理・BOI申請・労働許可証、ワークパミット取得等

なぜタイ国なのか

東南アジア進出に際し、タイと最も比較されやすいのがベトナムのホーチミン、ハノイ、そしてインドネシアのジャカルタです。 最近ではバングラデシュのダッカ、ミャンマーも注目されています。 東南アジア諸国の中で、賃金が決して安いわけではないのに「なぜタイなのか」複数ある選択肢の中で製造業にとって「なぜタイ国なのか」 を自動車業界を例にあげてご説明させていただきます。
インフラの充実
タイでの日系自動車製造業進出の歴史は40年以上に登り、それに伴い、輸送、電気、 工場用地などの製造業用インフラがが近隣諸国と比べてかなり整っています。 部材の現地調達も容易で、タイでの生産が難しいような製品についても、タイに事務所を置く 日系商社、またはタイローカル商社を通じて現地調達が可能です。
BOIなどの投資新興策の存在
タイにはBOIと呼ばれる海外からの投資優遇制度があり、認証に際し一定の条件を満たす 必要がありますが、法人所得税の減免、機械設備輸入税の減免、輸出製品に使用される 原材料輸入税免税、等などの措置が受けられます。 その他にもJTEPA(日タイ経済提携協定)と呼ばれる、関税緩和、撤廃措置も利用できます。
タイ国内市場自体の魅力
タイ国内自動車販売数は1985年は8万台程度だったものが、1990年に30万台の大台を突破、 政策や通貨危機、天災などで一時的に落ち込む年度もあるものの、全体的には高い成長率を キープしつつ、2010年時点で160万台(前年比)、2011年は洪水の影響があり146万台 (前年比11%減)となっています。 この数字は2012年現在、東南アジアで最大の数字となっています。
東南アジアマーケットへの輸出拠点、製造拠点としてのタイ
2000年以降、東南アジア諸国連合(ASEAN)の動きと共に、東南アジアを一大経済圏と するための、域内輸入関税の段階的な見直しがされてきました。それに伴い、生産増強と集約、 部品の域内調達拡大などが進んでおり、今後もこの動きは加速していくと予測されます。 例えば、自動車メーカーのスズキは2010年、スイフトを日本への輸出はありませんが、東南アジア 全域向けとしてタイで生産を開始しました。地理的にもインフラ的にも有利なタイは、製造拠点とし ての地位をますます確立していくことと予想されます。 タイ国内市場だけでなく、東南アジアへの輸出拠点としても、タイは東南アジア最大の国と言えます。
日本(世界)への輸出拠点、製造拠点としてのタイ
2010年にHONDAからからPCXという125ccの世界戦略用の二輪車が発表されました。 日本を含めた世界での販売を狙った車両ですが、製造はタイ工場にて行われています。 四輪車では、2010年に日産マーチがタイ生産車としては初の日本向け輸出を開始しました。 それに続くように同年、三菱ミラージュもタイ生産、日本輸出を開始しています。 また、スズキはAスターという世界戦略車を2015年予定で、タイ生産予定です。 日本または世界への輸出拠点、製造拠点としてのタイの存在感はこれからも大きくなるものと 予想されます。
サプライチェーンを越えた取引の可能性
タイに限ったことではありませんが、日本ではH系、T系と、部品メーカーの完全なサプライチェーンが 確立されており、系列を越えた取引というのは難しいのが現状だと思います。 しかし、タイにおいては全部品メーカーが日本から進出しているわけではなく、現地調達化が進む中、 日本では考えられない系列を越えた取引もよく見られます。 技術さえしっかりしていれば、日本以上に販売先を増加させることが可能です。 しかしタイでは、安いタイローカルメーカー、中国、台湾、韓国からの輸入製品が競合となります。 今までは安かろう悪かろうだったローカルメーカーもどんどん技術を付けてきています。 そして、ユーザーである日系企業自体も、日本工場以上にタイ、中国、台湾、韓国製品の採用 に積極的です。そういった製品が日本以上に簡単に手に入るので、技術があれば大幅な販売先 増加は可能ですが、競合性では日本以上の場合もあることは注意が必要です。 また、事例数は少ないですが、タイ工場で採用→日本工場で採用という話もあります。
駐在員(とその家族)にとって住みやすい国
タイは親日的な国であり、毎年日本からの観光客は100万人を超えています。 その観光客のほとんどがリピーターになるという、日本人にとっても馴染みやすい国です。 ほとんどの駐在員とご家族はバンコクに住むことになると思いますが、 日本食レストランはバンコクに限って言えば日本の地方都市より多いぐらいですし、食材や生活用品 に関しても、タイで手に入らないものを探すほうが難しいぐらいです。 主に駐在員のご子息向けの日本人学校もバンコクとシーラチャに二校あり、バンコク校は世界最古で 世界最大規模です。インターナショナルスクールの選択肢も豊富で、日系学習塾の進出も盛んです。