タイ進出企業に打撃
法人税の算定方法を巡る政府内の見解の相違が企業経営に打撃を与える事態が広がっている。
問題となっているのは、法人税優遇を認める制度(BOI)を利用する際に、企業が損益を計算する方法を巡って BOIと財務省歳入局との見解が食い違っている。
BOIは優遇対象の事業が複数ある場合、それぞれの事業単独で免税扱いとなるなどとしており、これまで多くの企業がこの方法を採用していた。
一方
歳入局は税優遇の対象となる事業間で損益をまず相殺すべきだと主張し、その上で損失が残る場合は非優遇事業の利益から差し引くことを認めるとしている。
両者の見解が並存する事態が10年以上にわたって続いてきたが、BOIは企業にとって税負担が少なくて済む算定方法が許容されると説明し続けてきた。
ところが、タイ最高裁はこの夏、歳入局が2008年にミネベアに対して約5億バーツの追加の法人税納税を求めた巡り、歳入局の訴えを全面的に認める判決を下した。