ペットボトルの水を自動販売機で売ったら儲かるのか?
タイは日本に比べて屋台が多いです。
そこで、タイの屋台でペットボトルの水でさえも売られていることをピックアップして考えました。
まずタイでペッ トボトルの水が良く買われている理由を考えてみます。
タイでのペットボトルの水の需要は飲み水や口をゆすぐことが一番の目的と考えられます。
水道水をその まま飲むとタイ人でもお腹を壊す可能性があります。
その原因は水の硬度であったり、水質の悪さです。
よって、タイではペットボトルの水の需要が多いので す。
特に硬水を飲むことに慣れてない日本人にとっては、日本の水の硬度は約50mg/lに比べ、タイの水は120mg/lの水の硬度があり、タイの水道水 は体質に合いません。
では、なぜタイではペットボトルの水が屋台で売られているのか。
なぜ、自動販売機で飲料水を売らないのか。
その疑問を紐解いていこう と思います。
バンコクの街を歩くと日本人はすぐに気づくでしょう、自動販売機の少なさに。
いや、道端で自動販売機を見たか覚えがないくらいです。
コンビニは所々 ありますが、屋台で買った方が手っ取り早いため、売れているようです。
そこで、タイも日本のように自動販売機を多く街中に設置してみてはどうかと考えまし た。
しかし、デパートや一部を除いて、自動販売機を導入していないのは何か理由があり、ビジネスとして上手くいかない危険性があるというのも考えられま す。
自動販売機の導入は、水のペットボトル飲料水の単価が約120円の日本に比べ、タイは約10bahtと格段に安いため、自動販売機本体価格約20万 円と電気代を合わせた支出を収入が上回らないこともビジネス化にならない大きな理由の一つではないかと考えることができます。
電気代は省エネを考慮した機 能が自動販売機本体に搭載されていると考えると、稼働率を50%として計算できます。日本の1か月あたりの自動販売機稼働による電気代は、 1.2[kw]×24[h]×30[days]×24[yen/kwh]×50[%]=10,368[yen]。
タイでは 1.2[kw]×24[h]×30[days]×5[baht]×50[%]=2,160[baht]=6,307.2[yen](H28.9.12 18:00為替レート)。
これらから考えて、タイでは1か月の電気代を払うのに216[本]の売り上げが必要となります。
さらに自動販売機本体価格の支払いを考えると月の売り上げは途轍もない 本数になることが容易に想定できます。
また、治安が日本に比べ良くないことも理由になるでしょう。
自動販売機が壊されてペットボトル飲料やお金が盗まれた りするのが想像がつきます。
今回の調査結果をまとめると、日本は人件費が高いため自動販売機による自動化が進んでいますが、タイの場合は人件費が安いため自動化にする必要があ りません。
また、自動販売機を導入して機械や電気にお金を使うより、屋台でコツコツ売った方が儲かる現実が今回調べてわかりました。
そのため、タイでは自 動販売機が普及していないのです。
タイがさらに経済成長し、人件費や物価が上昇していけば自ずと自動販売機が導入されるでしょう。
高知工科大学 2016年度インターン生
M村