タイ子会社の社員が日本に研修に行く場合の注意点 その1
タイ子会社の社員が日本で研修するのに、何か届け出が必要なのですか?との質問をよく受けるようになってきました。
タイの労働省労働管理局には、45日未満の海外研修の届け出と、45日以上の海外研修の届け出の2種類があります。
ところが、こんな届け出などすることなく、日本に研修に行かせている会社はたくさんあります。
そもそも海外研修なんで、会社と社員が合意し、日本の入管が滞在許可をだせば、タイ国がどうのこうのいうことはないと思っていました。
このことを、タイの労働管理局に、この届け出はどういう性質なのか???
この届け出は任意なのか?
強制なのか?
強制ならば、何故会社はこんな届け出を出さないといけないのかと問い合わせてみました。
労働管理局の回答 届け出は義務(強制)。
従わない場合は3年以上10年以下の禁錮、もしくは罰金6万バーツ以上10万バーツ以下、もしくはその併科。
タイ国がこのように規制している理由。
労働力の区分けとして「タイ国内の労働力」と「外国の労働力」とがあり、これは国籍は関係ありません。
たとえば、私は労働許可証を持ち、タイ国内で働いています。
私は日本人ですが「タイ国内の労働力」であり、したがってタイ政府は私の労働に関する管理権限を持っています。
実際、労働許可証がないとタイで働けないので。
日系企業が、日本本社勤務のタイ人を日本で採用したら、これは「外国の労働力」であり、タイ政府の権限外であり、この届け出を出す必要はありません。
ところが研修の場合、研修地が日本であったとしても、何のための研修かといえば、タイ法人発展の為の研修ですから、「タイ国内の労働力」とされ、タイ政府はこの研修に関与することができるとのスタンスのようです。
これには、人身売買、人権侵害(安い賃金で使う)を防止するタイ国民保護策でしょう。
THAI SUP (SAITO CO.LTD) 2016年4月15日号 参照