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駐在員事務所の活動と留意点

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駐在員事務所の活動内容

駐在員事務所は、タイ国への進出においてよく利用される進出形態ですが、駐在員事務所は現地法人と異なり可能な活動内容が下記の5項目に限定されています。

1.本社のためにタイにおいて買い付ける物品またはサービスの調達先を探すこと
2.本社のためにタイにおいて買い付ける、製造委託される物品の品質管理・製品コントロール・検査・検品を行うこと
3.本社がすでに販売しタイ国へ輸入された物品に関して、タイにおける販売代理店または顧客に対して助言を与えること
4.本社の新製品、新サービスの紹介・説明・情報提供
5.本社へのタイ国ビジネス状況(市場調査など)の報告

よって、駐在員事務所においては、営業活動を行うことや、収益活動(商品販売やサービス提供)を行うことはできません。

駐在員事務所の活動範囲について

商務省の事業開発局(DBD)は、駐在員事務所の活動範囲を超える行為として以下を公表しています(下記の【】は上述の駐在員事務所の活動内容との関連番号)ので、以下のような活動を駐在員事務所にて実施しないようにすることが重要となります。

  • 本社または関連会社に代わって商品の発注または代金の支払いを行うこと、または商品の調達に関連するその他の取引を行い、もしくはこれらに関する手続きを行うこと。【1】
  • 本社または関連会社が発注した商品を輸出すること。【1】
  • 本社または関連会社以外の会社のために、商品の品質および数量の検査・管理を行うこと。【2】
  • 商品の据付け、修理または保守・メンテナンスに関するアフターサービスを提供すること。【2】
  • 本社または関連会社が製造または販売していない商品について助言を行うこと。【3】
  • 本社または関連会社に代わって、商品の注文またはサービスの注文を受けること。【3,4】
  • 本社または関連会社に代わって、商品の売買に関する調整・仲介を行うこと。【3,4】
  • 既にタイ国内で販売されている商品またはサービスについて、その販売または普及活動を行うこと。【3,4】
  • タイ国内の顧客と本社または関連会社との間で、仲介者または販売代理店として機能する形態で業務を行うこと。【3,4】
  • 本社または関連会社に代わって、事業上、各種機関との間で計画の策定および調整を行うこと。【5】
  • 本社または関連会社に代わって、契約の締結その他の取引について代理すること。【3,4】
  • 本社または関連会社以外の事業者に対して、情報を報告または提供すること。【5】

駐在員事務所と恒久的施設の論点

税務上の恒久的施設(PE:Permanent Establishment)の定義は、タイ国と各国との間の租税条約(およびMLI:BEPS防止措置実施条約)によって規定されており、タイ国と日本国との間の日タイ租税条約においても第5条にPE定義が規定されています。
駐在員事務所とPEとの関連では、日本本社のタイ駐在員事務所が(日本本社の)PEに該当するか否かという論点があり、特に代理人PEか否かということがあります。

日タイ租税条約には代理人PEとは、以下のように定義されています。
「外国企業の名で契約を締結する権限を有し、かつ、その権限を反復して行使する者(ただし、独立代理人を除く)」
また、代理人PEの定義は日タイ間ではMLIによって、単に「契約を継続的に締結する権限を有する」ことのみならず、「契約締結に至る主要な役割を反復して果たしており、その契約が外国企業によって重要な修正なしに通常締結されている」ことも含まれる点に注意が必要となります。

上記の代理人PEについて駐在員事務所の活動内容と照らし合わせると、駐在員事務所が営業活動・収益活動を実施できない点やその具体的な活動範囲を超える行為の例示を実施しないことと代理人PEの認定をされないことは、概ね同じ検討事項を整理することになると理解できます。

松元 勝彦

松元 勝彦

代表取締役 日本国公認会計士

大手監査法人で17年、うち10年はKPMG(タイ、マレーシア、シンガポール)にて海外駐在。
東南アジアにおける会計・税務・海外進出支援の実績を活かし、タイ国の日系企業から安心・信頼してご相談いただける会計事務所を目指す。

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