タイ会計|立替請求書の留意点
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立替請求書
立替請求書とは、第三者が負担すべき費用について、自社が一時的に立て替えて支払った際に、その実費を回収するために第三者に対して発行する請求書となります。よって、通常の請求書と異なり自社の売上にはならず、あくまで第三者のために立て替え払いした実費を回収する性質になります。
よくある例としては、日本本社がタイ現法が負担すべき費用(商品代金、サービス料、駐在員の日本払い給与など)について立て替え払いをした際に、その実費を回収するために日本本社からタイ現法へ発行されることがあります。
立替請求書の会計処理
立替請求書の会計処理は、①立替払いした際の会計処理と②立替請求書を発行する際の会計処理があります。
①立替払いした際の会計処理は、自社が負担すべき費用を支払うわけではないため、支払時に費用計上をする必要はありません(費用計上することは出来ません)。よって仕訳は、借)BS 立替払い/貸)BS 現預金という損益影響が出ない仕訳になるべきです。
次に②立替請求書を発行した際の会計処理は、自社が立て替え払いした実費を回収するだけなので売上計上は出来ません。よって仕訳は、借)BS 未収入金/貸)BS 立替払いというこれも損益影響が出ない仕訳になるべきです。
立替請求書を発行する際の留意点
タイ現法が第三者が負担すべき費用を立て替え払いした際に、その実費を回収するために第三者に対して立替請求書を発行することがあります。このような立替請求書を発行する際の留意点は、この立替請求書が「自社の売上」ではなく、あくまで「実費の回収」であることを明確にすることです。その理由は、立替請求書が「自社の売上」とみなされる場合には、税務上の収益とみなされるとともに、売上VATを課税しなければならなくなるためです。このような税務上のリスクを防ぐために立替請求書を発行する際には以下に留意する必要があります。
・請求書のタイトルには「立替請求書(Reimbursement Invoice/Advance Invoice)」と明記する。
・請求項目の摘要には「〇〇の立替請求(Reimbursement/Advance of 〇〇 expense paid by “タイ現法名”)」と明記する。
・タイ現法が立て替え払いした仕入先・サプライヤーからの請求書※を関連書類として添付する
※仕入先・サプライヤーからの請求書は原則、第三者の名前で発行されたものとなります。
日本本社からタイ現法に発行される立替請求書の留意点
先ほどとは逆に、日本本社がタイ現法が負担すべき費用を立て替え払いした際に、その実費を回収するために日本本社がタイ現法に対して立替請求書を発行することがあります。このような立替請求書が発行される際の留意点は、この立替請求書が「商品やサービス売上の請求書」ではなく、あくまで「実費の回収」であることを明確にすることです。その理由は、立替請求書が「日本本社からのサービス売上の請求書」とみなされる場合には、タイ現法の支払時に源泉税(PND54)および仕入VAT(PP36)の課税リスクが生じる可能性があるためです。このような税務上のリスクを防ぐために日本本社からタイ現法に発行される立替請求書については以下に留意する必要があります。
・請求書のタイトルには「立替請求書(Reimbursement Invoice/Advance Invoice)」と明記する。
・請求項目の摘要には「〇〇の立替請求(Reimbursement/Advance of 〇〇 expense paid by “日本本社名”)」と明記する。
・日本本社が立て替え払いした仕入先・サプライヤーからの請求書および(出張精算の場合)出張精算書などを関連書類として添付するとともに、以下の項目を含む「立替請求明細」を英語で作成する。
なお、関連書類として添付すべき書類は以下のとおりです。なお関連書類が日本語(タイ語または英語以外の言語)の場合には費用の内容を英語等でメモ書きすることで、タイ現法での適切な費用計上および後述する源泉税の要否が判断できることになります。
・タイ法人宛ての請求書(InvoiceまたはTax Invoice)
・タイ法人宛ての領収書(Receipt/Tax Invoice)
・日本本社・個人の支払証憑(銀行送金データ)
・・(出張精算の場合)出張精算書
| 番号 | 立替払い日 | 請求書/領収書 番号 |
請求項目/内容 | 源泉税の要否 | 金額 (外貨建て) |
金額 (バーツ建て) |
立替払い時の源泉税の要否
先述のとおり、タイ現法が負担すべき費用を日本本社が立て替え払いした場合、当該費用がサービス料に関するものでありタイ現法に対する請求である限り(請求書の宛先がタイ現法となっている場合)、当該費用の支払時に源泉税が課税されることに留意する必要があります。