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印紙税|請負契約およびソフトウェア使用契約の印紙税

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印紙税の課税対象

印紙税の課税対象か否かは、印紙税法に課税対象となる28種類の文書(書類/契約、課税対象リスト)を定めており、文書(契約書)が当該課税対象リストに該当するか否かがポイントとなります。特に本コラムでは契約内容(サービス内容)が「請負契約」=課税対象(課税対象リスト4号)、なのか「ソフトウェアの使用許諾契約」=課税対象外なのかについてみていきます。

ソフトウェアの使用許諾契約の印紙税

ソフトウェアの使用許諾契約は、著作権法に基づく著作物利用許諾契約に該当するため、印紙税の課税対象外となります。

請負契約の印紙税

請負契約については、印紙税の課税対象リスト4号に該当するため印紙税の課税対象となり契約金額1,000バーツにつき1バーツの印紙税(税率0.1%)となります。
よって、契約内容が請負契約なのかという点が非常に重要となります。

請負契約か否かの判断

「請負契約」の判断について税務上(歳入法)の定義はありませんので、民商法587条に規定されている請負契約の定義を参照します。

「請負契約とは、一方当事者である請負人が、特定の仕事を完成させることを約束し、他方当事者である注文者が、その仕事の完成に対して報酬を支払うことを約する契約をいう」

また、サービス提供の契約形態として「請負契約」なのか「業務委託契約」なのかということが重要な点となります。
この点、「業務委託契約」については民商法に定義がなされていませんが、継続的な役務提供および労務・技能の提供とされますが、発注者は特定の個人の労務そのものを必要とするのではなく(その場合、雇用契約の場合となるため留意する)、当該業務が成果として完了することを目的としています。例えば、警備業務の委託、清掃業務の委託、コンサルタント業務の委託などがこれに該当すると考えます。

よって、「請負契約」なのか「業務委託契約」なのかの判断については「請負契約」にかかる以下の特徴によって総合的に判断することとなります。
・継続的な役務提供および労務・技能の提供に対する対価ではなく、業務の成果(完成)を重視して対価が支払われることを本旨とすること。
・請負人は業務の遂行に関して独立性を有し、注文者の指揮命令または服務規律の下に置かれない(判例基準:タイ最高裁判所判決 第2707号/1988年 など)。
・業務に用いる器具または設備は、原則として請負人の所有とされる(別段の合意がある場合を除く)(民商法第588条)。
・仕事を完成させるために使用する器具その他の物は、請負人がこれを準備するものとする。
請負人は、仕事の完成物に生じた瑕疵(欠陥)について責任を負う(民商法第600条)。

参考:歳入局FAQ(Gor Kor 0706/5444)

【質問】
会社は、パッケージソフトウェアを含むコンピュータシステムのリース契約を締結しており、その範囲には、コンピュータ、ネットワークシステム、パッケージソフトウェア、システムソフトウェア、著作権使用許諾およびソフトウェア改変、施設の改修作業、業務プロセスの分析および設計、データ入力計画・準備、開発・テスト、システム導入、導入後サポートが含まれています。
この契約は印紙税の対象外であると言えるか。

【回答】
当該契約では、コンピュータシステムソフトウェアの料金と各種業務委託料金が明確に区分されている。
各種業務委託部分は請負契約に該当し、印紙税の課税対象となる。
一方、コンピュータソフトウェアの使用許諾部分は、著作権法に基づく著作物利用許諾契約に該当するため、印紙税の課税対象にはならない。

松元 勝彦

松元 勝彦

代表取締役 日本国公認会計士

大手監査法人で17年、うち10年はKPMG(タイ、マレーシア、シンガポール)にて海外駐在。
東南アジアにおける会計・税務・海外進出支援の実績を活かし、タイ国の日系企業から安心・信頼してご相談いただける会計事務所を目指す。

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