労働者福祉基金の導入(2025年10月1日から適用)
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労働者福祉基金の概要
2024年11月に公布された労働者福祉基金(Employment Welfare Fund Committee)にかかる規則により、2025年10月1日より従業員が10名以上の会社は、会社および従業員がそれぞれ毎月、労働者福祉基金に一定額を拠出することが義務付けられました。
以下では労働者福祉基金にかかる規則についてポイントを説明します(なお、下記の情報は2025年7月30日時点の確認がベースとなります。)
基金への加入義務者
労働者福祉基金への加入義務は、従業員10名以上の会社の従業員となります。ただし、加入義務者の適用除外として以下の会社が規定されています。
・プロビデントファンド(退職積立基金)に加入している会社
・会社が社内で同じ目的の福祉制度を設定している会社
また、会社の取締役については加入義務はありません。
基金の拠出率
労働者福祉基金への会社の拠出率および従業員の拠出率は以下のとおりです。
2025年10月1日から2030年9月30日までの期間 | 2030年10月1日以降 | |
会社の拠出率 | 0.25% | 0.5% |
従業員の拠出率 | 0.25% | 0.5% |
従業員からの拠出金は、2025年10月1日以降の給与支給時に従業員の給与から控除することにより、会社が会社拠出金とともに基金へ支払うことになります。
なお、プロビデントファンド(退職積立基金)に加入している会社の従業員の加入義務は免除されているため、プロビデントファンドの会社拠出率を基金への拠出率である0.25%に設定できるか否かが論点になります。この点、会社拠出率は「プロビデントファンド法」により、2%以上(15%以下)と決まっているため基金への拠出率である0.25%に設定することは出来ないと考えます。
基金への支払期限
会社は、会社の拠出金と従業員の拠出金について、労働者名簿(Sor Kor Lor.3)を提出するとともに、給与支給月の翌月15日までに基金へ支払う必要があります。
なお、労働者名簿には、従業員情報、賃金、拠出額等の情報を記載する必要があり、労働者名簿の提出は労働局のウェブサイトを通じてオンラインによる提出が可能となる予定です。
労働者福祉基金にかかるFAQ
回答:
入社から試用期間までの従業員についてはプロビデントファンドに加入していないため、労働者福祉基金への加入義務があります。
回答:
現時点では明確になっておりません。
回答:
会社の事業に関連する支出であるため損金として認められると考えられます。