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VAT|小売業の簡易タックスインボイスおよび売上VATの記載方法

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小売業と簡易タックスインボイス

販売店舗、レストラン店舗、クリニック医院など一般消費者に対して商品を販売またはサービスを提供する場合、代金受領時に「簡易タックスインボイス」を発行することができます。これは一般消費者に対して通常のタックスインボイスを発行することが煩雑な実務となるため例外的に認められているものです。
なお、代金受領時とは、現金支払だけでなく、クレジットカード払い、QRコード決済なども含まれます。

簡易タックスインボイスの申請・承認および発行

簡易タックスインボイスは、歳入局により承認を受けたキャッシュレジスター(POSシステム※)を通じて発行する(VAT歳入局告示46号)、または手書にて作成する必要があります。ただし、顧客が通常のタックスインボイスを求めた場合、事業者は通常のタックスインボイスを発行しなければならないとされています(VAT歳入局告示32号)。
※歳入局へのPOSシステムの申請・承認はP.P.06フォームによってなされます。

簡易タックスインボイスの記載要件

なお、簡易タックスインボイスの記載要件(歳入法第86/6条、VAT歳入局告示45号)は以下の通りです。
1.「簡易なタックスインボイス」または、キャッシュレジスターが16桁まで記録可能な場合は「TAX INVOICE (簡易)」という表記 
2. 事業者名(発行者)および納税者番号 
3. 連番(発行番号) 
4. 商品名、種類、区分、数量、および商品/サービスの金額 
5. VAT込みの総額(付加価値税が含まれている旨を明確に記載すること) 
6. 発行日(年・月・日) 
7. その他、歳入局長が定める事項

デリバリー(Grab、LINE MAN等)による販売

販売店舗がGrab、LINE MANなどのデリバリーによる販売を行う場合、簡易タックスインボイスは配送業者であるデリバリー配達員が顧客の商品を受け取った時点※で発行する必要があります。また、簡易タックスインボイスの発行は販売店舗の名義で行う必要があります。
※デリバリー配達員に顧客の商品を引き渡す時に、簡易タックスインボイスを商品と一緒に同封するのが一般的です。

なお通常、Grab、LINE MANなどのデリバリー業者は販売店舗に対して一定期間ごと(1ヵ月ごと)に売上明細を添付した売上集計表を作成して送付します。またこの売上集計表には一定期間の売上明細からデリバリー業者の手数料(コミッションおよび広告料など)が控除された入金額が記載されていることが一般的ですが、売上VATのもととなるVAT課税所得はデリバリー業者の手数料控除前の売上総額となります。

小売業のVAT申告書(多数の売上VAT記載方法)

小売業のように日々の取引件数が非常に多い場合、VAT申告書における売上VAT明細はどのように記載すべきかが論点となります。つまり、1つ1つの取引をすべて売上VAT明細に記載するのか、1日毎、1週間ごと、1ヵ月ごとの取引を纏めて売上VAT明細に記載しても良いのかということです。

すべての1つ1つの取引を個別に売上VAT明細に記録する必要はありません。簡易なタックスインボイスを発行している場合、簡易タックスインボイス番号(「番号…から番号…まで」または「冊子番号…から冊子番号…まで」)を記載し、商品/サービスの金額および売上VATの金額を日次で集計してまとめて記載することが可能となります(VAT歳入局告示89号)。

松元 勝彦

松元 勝彦

代表取締役 日本国公認会計士

大手監査法人で17年、うち10年はKPMG(タイ、マレーシア、シンガポール)にて海外駐在。
東南アジアにおける会計・税務・海外進出支援の実績を活かし、タイ国の日系企業から安心・信頼してご相談いただける会計事務所を目指す。

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