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TISO(貿易ならびに投資支援事務所)

  • タイ進出支援
  • BOI申請

TISOの概要

TISOとは、タイ投資委員会(Board of Investment: BOI)が提供する投資奨励事業の一つである貿易ならびに投資支援事務所(Trade and Investment Support Office: TISO)のことである。

TISOの恩典内容

TISOの恩典内容は主に以下の2点となる。
・外国資本100%による事業が可能である点
・外国人専門家(例:日本人駐在員)への迅速なビザ・労働許可証発給が可能である点

外国資本100%による事業が可能である点

タイ国の外国人事業法の規制により、外国資本が50%以上で設立された現地法人においてサービス事業を行うことは原則、禁止されている。ただし、当該サービス事業が、BOIの提供する投資奨励事業であるTISOとして認められれば、例外として外国資本100%による現地法人にて事業を行うことが認められている。
外国人事業法については、「タイ進出|外国人事業法(外資規制)」を参照。

外国人専門家へのビザ・労働許可証

タイ現地法人がBOIの投資奨励事業であるTISOとして認められれば、当該現地法人にて勤務する外国人専門家へのビザ・労働許可証の手続や要件が緩和されている。具体的にはBOI以外の現地法人にて勤務する外国人のビザ・労働許可証の下記の3要件が免除されている。
・外国人1名あたり、払込資本金200万バーツ
・外国人1名あたり、タイ人従業員4名の雇用義務
・外国人の月額最低給与(日本人の場合、最低給与は月額50,000バーツ)

TISOの対象事業

TISOの対象事業の範囲は下記の通りである。

(1)関連会社へのサービスまたは管理
関連会社へのオフィスや工場の賃貸、関連会社への貸付(タイ国外の関連会社への外貨貸付、タイ国内の関連会社へのタイバーツ貸付)を含む。
ただし、関連会社への貸付の場合、それ以外に下記(2)から(7)の対象事業を1つ以上あること。

(2)事業活動に関する助言およびアドバイス
ただし、証券取引、外国為替、会計、 法律、 広告、建築、土木エンジニアリングを除く。

(3)商品調達に関する情報サービス

(4)エンジニアリングおよび技術サービス
ただし、建築、土木エンジニアリングを除く。
(なお、弊社によるBOI面談では、一部のITサービスやソフトウェア開発サービスなども含まれていると思われる)

(5)機械、機器、 装置および設備に関するサービス
関連会社で製造または製造会社に公式任命(証明書の提出が必要)された機械、機器、 装置および設備にかかる下記の業務のうち、少なくとも1つ以上のサービスの提供
・卸売のための輸入
・トレーニングサービスの提供
・据付、メンテナンス、補修修理
・機器校正(Calibration

(6)タイ国内で製造された製品の卸売

(7)国際BPOサービス
通信ネットワークを通じての国際ビジネス・ プロセス・アウトソーシングサービス  (International Business Process Outsourcing)であり、例えば管理サービス、財務・会計サービス、人材管理サービス、セールス&マーケティングサービス、カスタマーサービス、データ処理などを含む。

TISOの条件

TISOの条件として、年間1,000万バーツ以上の販売費および一般管理費(販管費:SGA)の支出(費用計上)がある。
BOIウェブサイトには、年間1,000万バーツの販管費として認められる費用が下記のとおり例示列挙されているが、認められる費用は「販管費」のみであり、「売上原価/サービス原価」は認められないため留意が必要である。つまり、直接サービスを提供する従業員やコンサルタントの給与等など、サービス提供に直接かかる費用(売上原価/サービス原価)は含まれないことに留意が必要である。
当該、「販管費」および「売上原価/サービス原価」の計上区分については会計基準に従うこととなるため、会計監査人との事前確認を行うことが重要となる。

・人件費
管理部門の取締役および従業員(経理・総務・人事・ITなどの管理部門の従業員)の役員報酬、給与・手当、賞与等の人件費
なお、取締役の役員報酬に係る業務が、サービス原価と販管費に跨る場合には適切な方法で按分することは認められる。

・オフィス費用
事務所の賃料、電気代、水道代、インターネット・電話料金などの公共料金、修繕・維持費など。

・販売およびマーケティング費用
広告宣伝費、販売促進費、販売手数料(コミッション)、接待交際費など。

・その他の販管費
旅費交通費、出張費、コンサルティング費用、顧問料、監査費用、固定資産(販管費)の減価償却費、租税公課、支払利息など。

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