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法人所得税|損金不算入費用

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損金不算入費用

タイ歳入法において損金不算入となる支出は、歳入法65条の3において規定されています。損金不算入となる支出の主な例は以下の通りです。なお、()内は条文番号を記載しています。

(1)各種引当金
(2)プロヴィデントファンド以外の基金への拠出金
(3)私的な支出、贈与、寄付金
(4)接待費/交際費
(5)資本的支出(固定資産の購入)
(6)法人所得税(前払源泉税含む)、追徴税額、罰金、仕入VAT(一部、損金算入可)
(8)株主である取締役/従業員への給与等のうち過大とみなされる支出
(9)支出を伴わない費用および過年度の会計期間にかかる支出
(12)発生から5年超の繰越欠損金
(13)利益獲得または事業活動と関連がない支出
(15)理由なく通常の価格(≒市場価格)を超える価格での資産購入または経費支出
(17)資産(棚卸資産以外)の評価損
(18)支払者が不明な支出(使途不明金、領収書のない支出)

以下に損金不算入となる支出について補足説明をしていきます。

(4)接待費/交際費

接待費/交際費については、払込資本額または総収入額の0.3%(ただし、上限金額は1,000万バーツ)まで損金算入が認められています。
また、交際費の目的で支出した贈答品については1回、1人につき2,000バーツまで交際費として認められています。

(6)法人所得税(前払源泉税含む)

タイ国内の顧客からのサービス代金回収時に控除された前払源泉税は年度末の法人所得税から控除することができます。しかし、法人所得税の金額<前払源泉税の金額のように年度末の法人所得税から控除できなかった前払源泉税については、翌年度以降の法人所得税から控除することは認められていないため、還付申請(法人所得税の申告期限から3年間)を行うか還付申請をせずに費用処理するかしか選択肢はありません。この点、還付申請せずに費用処理した前払源泉税については損金不算入となります。
一方、支払側である顧客が源泉税を控除せずにサプライヤーへサービス代金を支払う場合、サプライヤーとの契約書において顧客が源泉税を負担することが明記されている場合には顧客側で負担した源泉税は損金算入することが認められています。

(6)仕入VAT(費用処理する仕入VAT)

歳入法84/5条(4)および(6)に規定された仕入税額控除を受けられない下記の仕入VATは例外的に損金算入が認められています。
・接待費/交際費にかかる仕入VAT
・乗用車および座席数10人以下の乗用車の購入、賃貸等にかかる仕入VAT
・簡易的なTax Invoiceにかかる仕入VAT

(12)発生から5年超の繰越欠損金

タイ歳入法では欠損金の繰越可能期間は5年間と定められています。

(13)利益獲得または事業活動と関連がない支出

歳入法65条の3に個別に規定されている(1)~(20)以外の支出については当該(13)の規定により損金算入の可否を判断することになります。ただし、「利益獲得または事業活動」との関連性については詳細は規定や具体的な事例は規定されてないため、実務上は個別事案ごとに判断(会社が関連証憑をもって「利益獲得または事業活動」に関連することを証明)する必要があります。

(15)理由なく通常の価格(≒市場価格)を超える価格での資産購入または経費支出

当該規定はいわゆる”移転価格”の根拠条文となります。ただし、本項は関連当事者との間の取引に限定されておらず、第三者との間の取引にも適用されることに留意が必要です。よって、第三者との取引であっても取引価格は市場価格によることが求められています。また、税務署(税務担当官)が市場価格による取引がなされていないと判断した場合、市場価格によって取引がなされたとみなして価格調整(みなし売上高/みなし販売価格)を行う権限が歳入法により認められています。

(18)支払者が不明な支出(使途不明金、領収書のない支出)

支払者が不明な支出については損金不算入となります。よって、経費支出については必ずサプライヤーから領収書を入手する必要があります。ただし、公共交通機関(BTSやMRTの切符、都内タクシー/バイク代、バス代など)は領収書が入手できないことが一般的ですが、業務上の支出であることを示す経費精算書および責任者の承認があれば損金算入は実務上可能となります。

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