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固定資産の会計・税務処理

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固定資産の会計処理

タイの会計基準(TAS16)において、固定資産は企業が事業運営の目的で取得し、1年以上の使用が見込まれる有形・無形の資産と定義されています。
固定資産の減価償却は、会計基準上は定額法、定率法、生産高比例法などが認められていますが、一般的には後述する歳入法に基づいて定額法を採用していることが多いと考えます。
耐用年数についても会計基準上は、当該資産の経済耐用年数(資産の消耗・摩耗を加味した使用年数)やリース・賃貸契約年数に基づいて決定されますが、こちらも一般的に後述する歳入法に従った耐用年数を採用していることが多いと考えます。

固定資産の税務処理

タイの歳入法において、固定資産の減価償却費の損金算入は認められています。
月中に購入した場合の減価償却費の計算は日割計算によって行い、備忘価格(通常は1バーツ)を設定します。

税務上の減価償却

税務上の減価償却は定額法によって計算され、固定資産の種類ごとに税法(Royal Decree No.145)によって償却限度額が以下のように設定されています。

スクロールできます
資産の種類 償却率 耐用年数
建物(建物本体および建物と不可分な部分) 5% 20年
仮設建物 100% 1年
天然資源 5% 20年

借地権

書面による賃貸借契約がなく、または更新条項があり無期限に更新可能な場合

10% 10年
借地権
書面による賃貸借契約があり、更新条項がない、または更新期間が明確に制限されている場合
1÷契約期間 契約期間

特許権、著作権、営業権、商標権、技術使用権、その他の権利

使用期間に関する契約がないもの(無期限のもの)

10% 10年
特許権、著作権、営業権、商標権、技術使用権、その他の権利
使用期間に関する契約があるもの(有期限のもの)
1÷契約期間 契約期間
コンピューターおよび周辺機器(いわゆるIT機器)、ソフトウェア 33% 3年
その他の資産(機械設備、器具備品など) 20% 5年

減価償却の制限

乗用車または10人乗り以下のバス:
 ◦ 取得原価のうち100万バーツを超えない部分に限定されます。
 ◦ 賃貸借契約の場合、月額36,000バーツを超えないリース料に限定されます。

少額資産の会計・税務処理

タイの会計基準および歳入法には、日本のような税務上の少額資産の規定はありません。よって原則は、1バーツ以上で1年以上使用するものはすべて固定資産として計上し、減価償却する必要があります。
ただし、実務上は、経理処理の簡便化のため、社内で一定の金額基準(例:3千バーツ、5千バーツ)を定めて、それ以下のものは費用処理しているケースが多いと考えられますが、これは税務リスクを許容しての対応だと考えられます。

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