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タイ進出|外国人事業法(外資規制)

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外国人事業法(外資規制)

外国人事業法には「外国人」が行ってはならない「規制業種」が規定されています(一般的に「外資規制」と呼びます)。外資規制は、この外国人事業法や陸運法などの特別法によって個別に規定されています。
外資規制の内容は簡単に言うと会社の”資本構成(株主および資本金額)”と”事業活動”に対する規制と言えます。

外国人とは

「外国人」とは、タイ国籍を有していない個人、および株式数の50%以上を直接、外国人(外国法人を含む)によって保有されているタイ国の法人のことです。
株式数の50%以上を直接、外国法人によって保有されるタイ国の法人とあるため、間接保有分は考慮されないという特徴があります。

規制業種とは

「規制業種」とは、「外国人」が行ってはならない事業活動であり、外国人事業法にカテゴリー1、2、3として規制されている事業活動がリスト化されています。

リスト1-特別な事由により外国人の事業活動が制限される事業

リスト2-国家安全保障にかかる事業活動/タイの芸術、文化、伝統、習慣、工芸に影響を及ぼす事業/資源・環境に影響を及ぼす事業

リスト3-外国人に対してタイ個人またはタイ内資の競争力が十分ではない事業

リスト3の「規制業種」をまとめると、商社業(卸売業・小売業)および各種サービス業は外資規制の対象として事業活動が制限されています。一方、製造業(加工サービスはサービス業と分類されるため除く)および輸出販売業は外国人事業法の規制対象外となっているため100%外資で事業を行うことができます。

会社の中で規制対象の事業と規制対象外の事業を行う場合には、外国人事業法の規制は、会社単位ではなく、”事業単位(取引単位)”で行われるため留意が必要となります。
例えば、外資100%のタイ国の法人が製造業(規制対象外の事業)と自社製造品ではない物品の卸売業(規制対象の事業)の2つの事業を行う場合には、卸売業は外資規制の対象となるため外資100%のタイ国の法人では事業活動ができないことになります。

外資規制の例外

外資規制の例外(外資規制が免除される場合)として以下の4つがあります。

登録資本(解釈上は払込資本)が1億バーツ以上の会社は、卸売業、小売業、または国際取引に関する仲介代理業を100%外資で行うことができます。なお、資本金1億バーツは各事業ごとに必要となるため、上記3事業をすべて100%外資で行うためには合計3億バーツの資本金が必要となります。

BOIから投資奨励を受けた事業について外国人事業法の規制が解除されるため100%外資で事業を行うことができます。

外国人事業法にもとづく外国人事業許可を受けた事業について外国人事業法の規制が解除されるため100%外資で事業を行うことができます。

駐在員事務所および地域統括事務所は外国人事業法の規制対象外となっています。

関係会社(25%以上の資本関係を有する会社)に対する国内貸付、事務所レンタル、経営管理・マーケティング・労務管理・ITコンサルティングにかかるサービスは外国人事業法の規制対象外となっているため100%外資で事業を行うことができます。

タイ進出と外資規制

タイ国への進出を検討する際には外国人事業法を含む外資規制を検討しなければなりません。

製造業(加工サービスはサービス業と分類されるため除く)および輸出販売業は外国人事業法の規制対象外として事業活動が制限されていないため、100%外資でのタイ進出が可能となります。
商社業(卸売業・小売業)および各種サービス業は外資規制の対象として事業活動が制限されているため、下記方法によるタイ進出を検討する必要があります。
・「外資規制の例外」を適用して外資100%でタイ進出を行う
・タイ内資の法人に株式の50%超(通常、51%以上)を保有してもらいタイ進出を行う

以上よりタイ進出を行う際には、事業活動が外資規制の対象か否か、および規制対象の事業である場合には資本構成(株主および資本金額)の検討が必要となります。

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